宮古上布・琉球染織
道具

400年以上もの間、人から人へと受け継がれ、守られてきた宮古上布の文化ですが、それは技術だけでは
なく、道具も含みます。道具ひとつひとつにも長い歴史があり、宮古上布を今日まで支え、発展させてきた
ものだということを忘れてはなりません。その土地の素材を活用し、先人達の知恵によって生み出され、現代
まで残されてきた宮古上布に関わる道具達を紹介していきましょう。

ブーびきの工程で用いられます。
この貝殻を刈り取った苧麻の表皮に当ててしごき、
繊維以外の不純物を削ぎ落としていきます。
最近では入手が困難になってきているようです。

糸績みした糸を撚りにかけ、強度を出すための道具です。竹製で、大きいものもあれば小さいものもあります。滑車のような形をしていて、それを回転させることによって撚りをかけていきます。

撚りかけをするときに、糸にひねりをかけていくものです。針状で、ツングヤマの先端に設置されます。
撚りかけのときに糸を巻いていくものです。
竹製で小さな管の形をしています。
ツングヤマの先端に設置されたツメに差し込んで、
撚りをかけた糸を巻いていきます。
整経の際はツメから取り外して、そのまま手に持
ち綛(かし)かけしていきます。
撚りかけ後、整経するときに使われます。
このティーカシギーを使って7,5メートルの長さに
整えていきます。
ティーカシギーの幅や厚さなどは各個人の使用するも
のによって異なっていましたが、最近になって基準と
なる大きさや幅を定め、統一され始めました。
染色前の絣括りの工程で用いられます。
台の上に置いた図案通りに筆でていねいに墨付けをし
て種糸と呼ばれるものを作っていきます。

くりなおしの作業で必要となる道具です。
竹製で出来たもので、これに一本一本糸を巻きつけていきます。
漂白し、くりなおした糸を巻き取ったバフを、このバフ立てに立てて整経を行います。

ティーカシギーと同じで糸を整えるために使われます。
ティーカシギーが7,5メートルに整えるのに対して、
この整経機はバフ立てに立てたバフからの糸を巻いていき、
1反分に必要な長さに整えていきます。
染色前に行う整経で使う道具です。
機締めによる絣括りの作業のときに使用されます。
形は通常の織機とよく似ていますが、それよりも一回り以上
大きなものとなります。
松の木から作られています。
製織前の工程で用いられます。
この仕分け機を使って、経の絣糸を割り振りしていきます。
製織前の工程で用いられます。
この仕分け機を使って、緯の絣糸を割り振りして
いきます。

製織前の工程で、仮筬・本仮筬通しをする際に
用いられます。
細い一本一本の糸をこの筬通しを使って筬目
に通していきます。
竹で出来た櫛の目状の用具で、その隙間に経糸を通
すことで織り幅が決まります。
これを手前に引くことによって、左右に通された緯
糸を経糸にしっかりと織り込ませて一体化させます。
宮古の方言でマキィダと呼ばれます。
製織前の工程で、仮筬通しをした糸をこの巻き棒に
巻いていきます。
織り機に設置されます。

高機(たかはた)と呼ばれます。

織物を織る時に杼が左右に通る道を作るために、
経糸を上下に開く役割をする道具です。
宮古の方言でピズキと呼ばれます。
綜絖によって上下に分かれた経糸の間に
この投げ杼を通して右から左、
左から右へと緯糸を織り込むための道具です。
製織の際、経の絣糸の長さを調節する
ために絣糸をくくっておくものです。
イスノキという木から作られた3~5㎏程度の木槌で
仕上げの工程で使われます。
これを布に打ち付けることで上布に深みが出て、
着たときの肌触り、ソフト感が生まれます。
道具 糸づくり 図案 染色 製織 砧打ち
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