宮古上布・琉球染織
図案製作工程
図案作成
図案には十字絣と横絣があります。
方眼用紙のマスの交差する部分に点描の要領で十字もしくは点を書き入れて
絵柄を作成していきます。
方眼用紙はこの図案を作成するための特別なものが使用されます。
図案作成のときに、少しでも間違えるとおかしなデザインになってしまうので
細心の注意が必要です。
糸が仕上がると、糸を染める工程に移るのですが染める前にいくつかの作業を行う必要があります。
1、精錬漂白
経糸、緯糸、さらにそれぞれ絣糸となるものと地糸となるものに分けます。
地糸となるものは湯に30分ほど漬け、水洗いして不純物を取ります。
地糸とは柄にならない、基本となる糸のことです。

絣糸となるものは市販の漂白剤を使用し、白くしていきます。
絣になる糸とは、柄となる部分に使われる糸のことで、苧麻から紡がれた糸は
茶色味を帯びているので、そのままだとはっきりとした鮮やかな白色が出ず、
絣柄が浮き立たないので漂白する必要があります。
水と漂白剤の分量は糸の量や各個人によって異なりますが、漂白剤に数回に分
けて漬け、糸が真っ白になるまで行います。
約30分漬けた後、よく水ですすぎ洗いをし、乾燥させます。
2、くりなおし くりなおし
漂白を終え、乾燥させた絣糸は、7,5メートルの長さに製経されたままなの
で一反分の長さに整えなおしていきます。
その作業を行うための準備として、
バフと呼ばれる竹製の道具に糸を巻き取っていきます。
この巻取りの作業を”くりなおし”といいます。
糸が絡むと毛羽立ちの原因となります。
また、巻き取るときに糸がたるんでいるとバフから糸が落ちるので、
しっかりと巻いていきます。この作業には大体1~2日ほどかかります。
くりなおし作業風景
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くりなおし作業風景くりなおし作業風景くりなおし作業風景くりなおし作業風景
3、整経 整経
糸の長さを一反分の長さ、約13~15メートルに整えていきます。
くりなおしの作業で糸を巻き取ったバフを、枠立てに立て、バフからの糸を経
木に巻き取ります。経木を9回まわすと一反分の長さになります。
このときにも、糸がたるんだり絡んだりしないよう気をつけます。
整経作業風景
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整経作業風景整経作業風景整経作業風景整経作業風景
4、糊つけ 糊つけ
約13メートルに整経された糸は、
染色のときに絣がズレないように糊をつけていきます。
糊にはサツマイモの澱粉糊や市販の糊を使用します。
日当たりの良い場所で糸を思いきり張って糊を乾燥させるのですが、もし曇り
空の日にこの作業をした場合には、糸に張りがなく、絣がズレてしまう原因と
なります。
糊つけ作業風景
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整経作業風景整経作業風景整経作業風景
5、絣くくり 絣くくり
絣くくりとは、染色の際にその部分が染まらないよう柄部分となる糸を木綿糸
でくくる作業です。
絣くくりには、手で一つ一つくくる方法と機締めによる方法があります。十字
絣では主に機締めによる絣くくりが行われています。
横絣や複雑なデザイン、大柄については手括りの場合が多いです。
手括りは、図案を下に置き、その上に糸を張り図案の柄の部分の糸に墨で印を
付けていき、その部分を木綿糸でくくっていきます。
すべて手作業で行われます。
機締めは、まず16~18本ずつまとめて糊付けされた糸に、
経絣糸は図案の幅、緯絣糸は上布の幅に墨で印を付け、
糸がずれないように印の部分を木綿糸できつく括ります。
印が付け終わった糸を締機用の杼に巻き取っていきます。
締機には、木綿の締め糸が張られています。
図案を読みとりながら、図案に記された十字絣一つに対し
5本の締め糸をすくって絣糸を通し、締めていきます。
機締めが終わると、糸はむしろ状になっています。
絣くくり作業風景
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絣くくり作業風景絣くくり作業風景絣くくり作業風景絣くくり作業風景
むしろ
6、糊落とし 糊落とし
絣くくりが終わると沸騰した湯につけて、染色の際にムラの原因となる糊や汚
れを完全に落とします。
道具 糸づくり 図案 染色 製織 砧打ち
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